パンどろぼうシリーズ完全ガイド|読む順番・対象年齢・おすすめを全7作レビュー
絵本『パンどろぼう』シリーズは、とにかく面白い。
でもそれだけではなく、なぜこんなにも子どもを惹きつけるのか、そして、なぜ繰り返し読まれ、たくさんの人に愛されているのか。
7作すべてを読み、各巻を何十回と読み聞かせをしてきた今だからこそ、その理由を言葉にしてみたいと思いました。
2026年現在、パンどろぼうシリーズは最新作まで全7作。
作者はイラストレーターでもある柴田ケイコさん。
どの作品も面白いのですが、改めて読み返してみると「なぜこんなにも子どもに人気なのか」が少しずつ見えてきました。
そこで今回は、パンどろぼうシリーズの魅力を少し“考察寄り”の視点も入れながらまとめてみます。
パンどろぼうシリーズ、どれから読む?迷った方へ
初めてなら1作目『パンどろぼう』がおすすめです。シリーズの面白さが一番よくわかる1冊なので、まずはここから読むのが安心です。
- 読む順番は「発売順」でOK(キャラや関係性が自然に理解できる)
- 対象年齢は3歳頃から(読み聞かせなら2歳から、大人も楽しめる)
このあと本文では、全7作のレビュー・おすすめ・人気の理由を実体験ベースで詳しく紹介しています。

- パンどろぼうシリーズ完全ガイド|読む順番・対象年齢・おすすめを全7作レビュー
パンどろぼうシリーズの読む順番|初めて読むならどれ?
パンどろぼうシリーズは、読む順番に厳密な決まりはありません。
ただ、4作目の『おにぎりぼうやのたびだち』は、パンどろぼうの“始まり”にあたる物語なので、この一冊から読んでも内容はきちんと理解できます。
シリーズ未読の方にも、安心しておすすめできる一冊です。
図書館でなかなか1作目がゲットできない時は、4作目を先に読んでおくのもアリだと思います。
ただ、正直に言うと……1作目を読んでからのほうが、より楽しめます。
実際に何度も読み聞かせしてきた中でも、最初に読む1冊としての満足度が特に高いと感じています。
そして、2~3作目は、続編、さらに続編という形で刊行されました。
パンどろぼうの「パンへの執念」や、パンを大切に思う気持ちがどんどん増していきます。
その流れのあとに登場したのが、はじまりの物語である「過去」を描いた4作目です。
パンどろぼうの過去を知ると、なぜあれほどまでにパンを愛しているのか、物語全体の見え方が変わってきます。
読む順番に関わらず、4作目は特に一冊だけで完結させるのではなく、シリーズ全体と一緒に読んでほしい作品です。
パンどろぼうシリーズ|どれが面白い?おすすめランキング
パンどろぼうシリーズはどれも魅力的ですが、実際に何度も読んできた中で「特におすすめしたい作品」をランキング形式でまとめました。
🥇第1位:パンどろぼう
シリーズの原点にして完成形。衝撃のラストとテンポの良い展開で、初めて読む1冊としても一番おすすめです。
🥈第2位:パンどろぼうvsにせパンどろぼう
人気キャラ「にせパンどろぼう」が登場し、笑いとドキドキがさらにパワーアップ。親子で盛り上がる1冊です。息子も一番気に入っている一冊です。
🥉第3位:パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち
少ししんみりしつつも、成長や旅立ちを感じられる作品。じんわり心に残るストーリーで、大人にも強く刺さります。
迷ったらまずは1作目『パンどろぼう』から読むのが正解!2作目・3作目と続けて読むことでより世界観が広がります。
何歳から読める?何歳まで楽しめる?
結論からいうと、パンどろぼうシリーズは3歳ごろから小学校低学年くらいまで特に楽しみやすい絵本です。
文章量はやや多めでナレーションも入るため、発語が安定してきた3歳前後からが読みやすい印象でした。
主人公の少し江戸っ子っぽいしゃべり方や、パン屋のおじさんの敬語など、いわゆる赤ちゃん向け絵本というよりは「しっかりおはなしを楽しむ絵本」という位置づけです。
わが家で初めて読んだのは、息子が2歳9か月のころ。
ストーリーを完全に理解するというよりは、絵のインパクトやリズムの面白さで楽しんでいました。
大人も楽しめるストーリー展開と、鮮やかで力強いイラストなので、読み聞かせなら1~2歳ごろから導入するのもおすすめです。
各巻レビューまとめ(出版順)
パンどろぼうシリーズは現在7冊。※2026年3月時点
それぞれの詳しい感想レビューはこちらから読めます。
▶【1作目レビュー】パンどろぼう(2020/4/16)
衝撃のラストと人気の理由
▶【2作目レビュー】パンどろぼうvsにせパンどろぼう(2021/1/28)
まさかの偽物登場!シリーズ屈指の爆笑回
▶【3作目レビュー】パンどろぼうとなぞのフランスパン(2021/11/18)
まちのパンやからきた怖いフランスパンの正体は?
▶【4作目レビュー】パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち(2022/9/8)
シリーズファン必読の過去編
▶【5作目レビュー】パンどろぼうとほっかほっカー(2023/9/13)
ほかほかのパンと気持ちを届ける夢のキッチンカーをつくる!
▶【6作目レビュー】パンどろぼうとりんごかめん(2024/9/11)
最強のヒロイン登場!?りんごかめんの正体とは?
▶【7作目レビュー】パンどろぼうとスイーツおうじ(2025/9/10)
迷路とさがし絵も楽しめる最新刊
『パンどろぼう』シリーズは、なんと発売から5年時点で7作も発売されています。
シリーズ初期は発売時期がバラバラでしたが、4作目以降は9月発売が続いています。
そして2026年10月には、なんとアニメ化も決定。
今年も9月に新作が出る可能性が高そうです。
ファンとして、いまから楽しみで仕方ありません……!
どれを買うか迷ったらこの選び方がおすすめです
- ✔ 初めて読む →『パンどろぼう』(まずはここから)
- ✔ とにかく笑いたい →『vsにせパンどろぼう』
- ✔ ちょっと感動もほしい →『おにぎりぼうやのたびだち』
どの作品も外れはありませんが、読む順番や目的によって楽しみ方が変わるのも、このシリーズの魅力です。
「令和で一番売れている絵本」と言われる理由
累計発行部数は450万部(2025年9月時点)を超え、「令和で一番売れている絵本」とも言われています。
パンどろぼうの人気の理由は、一言では語れません。
いくつもの要素が重なり合って、子どもも大人も引き込まれるシリーズになっています。
憎めない“悪役”という存在
パンを盗む、れっきとした泥棒。
それなのに、なぜか嫌いになれない。
パンへの純粋すぎる愛情とどこか抜けている姿に、読者はいつの間にか感情移入してしまいます。
予想を裏切るストーリー展開
「おいしいパンを盗んで、さぞ幸せに……」と思った瞬間に訪れる、あの展開。
初めて読んだときの「え?そうくる?」という衝撃は、大人でも忘れられません。
グッズ化もされている『パンどろぼう』といえば、なシーンです。息子も大好きです。
ギャグ漫画のようなスピード感
見開きを大胆に使った構図や、パンで顔を隠したあの姿。
ページをめくるたびにテンポよく笑いが生まれ、読み聞かせでも間延びしにくいのが特徴です。
登場キャラクターたちの見た目や喋り方も個性的で、新刊が出る度に「今度はどんなクセのあるキャラクターが出てくるんだろう」とワクワクします。
大人も刺さる“教えすぎないメッセージ”(少しネタバレ)
説教くさくないのに、読み終わると心に何かが残る。
そんな魅力が詰まっています。
パンどろぼうは、そもそも1作目から「どろぼう」です。
悪いことをして、失敗し、痛い目も見る。
だけど物語はそこで終わらず、改心してパン職人になり、続編ではパン屋として働くようになります。
そして、困っている人を助けたり、かつての自分のような存在と向き合い「更生する側」として物語に関わっていく。
悪いことをしたあとに、物語がどう進んでいくのか。
そこに、このシリーズらしさがあるように思います。
色使いや絵の美しさも相まって、親のほうが先にハマってしまうのも、パンどろぼうあるあるです。
なぜ今、パンどろぼうをまとめて書きたいのか
理由は大きく3つあります。
① 7作すべてを読んできたからこそ見えてきたこと
2025年12月、ついに最新作まで含めた7冊のレビューがそろいました。
単発ではなく、シリーズとして読み続けてきたからこそ見える魅力を、一度きちんと整理したいと思いました。
②「言葉の力」という切り口に出会ったから
パンどろぼうをあれこれ検索していたとき「ことばの発達にぴったり」という趣旨の話をたまたま目にしました。
読み聞かせを続けてきた中で、息子が自然と口にするようになった言葉や言い回しが多かったな、と。
今回はその視点をヒントに、パンどろぼうの良さを実体験をもとに自分なりに整理してみたいと思います。
③ 実は2025年で5周年。動きが大きいシリーズ
7巻も出ているので、もっと昔からある印象でしたが、『パンどろぼう』は2025年で5周年。
最近は大型イベントも多く、私自身も1月末から4月初めまで横浜で開催されたパンどろぼうひろばに参加してきました。
※後日詳細レポ書きます!
さらに、10月からはアニメ化も決定。
今まさに、パンどろぼうが大きく羽ばたくタイミング。
本当はイベントに参加してからまとめようかと思っていましたが、それはまた別の機会に。
「言葉の絵本」として見たパンどろぼう
SNSで見かけた投稿をきっかけにあらためて読み返してみると、パンどろぼうは“言葉の仕掛け”がとても豊富なシリーズだと感じます。
今どきじゃない?だからこそ残る言葉
パンどろぼうの文章を読んでいて印象的なのが、どこか現代の会話っぽくない言い回しです。
「しめしめ」
「おひとつ あじみを」
「いとしい いとしい いとしのパン」
「はなしをつけに いくぞ」
大人にとってはおもしろいのですが、子どもが日常会話で自然に使う言葉ではありません。
それでも状況や絵と一緒に出会うことで、意味を“説明されなくても”理解できるのが魅力です。
こうした言葉との出会いが、子どもの「言葉の引き出し」を広げていきます。
感情や状態を表す表現の多さ
「うれしい」「たのしい」だけでは終わらない。
心が動く瞬間や気持ちが変化する様子が、いろいろな言葉で描かれています。
「めのまえが パアッと あかるくなったように かんじました。」
「おいしいものと であうほど、まいにちが たのしくなるのさ。」
「こころゆくまで くだもの たっぷりの パンを あじわいました。」
などなど、一文がしっかり長く、細かい表現がされているのも特徴です。
その中で「まずい」「うまい」「ずこ~」などの勢いのある見開きが良いアクセントになり、テンポよく最後まで読み進められます。
音の楽しさが詰まった文章
パンをこねる音、焼き上がる様子、動きのある場面。
「パラパラ」「こねこね」
「ピタッ」「サササっ」「ピューン」
オノマトペが多く、
声に出して読むと自然とリズムが生まれます。
絵の動きも楽しく、見ていて退屈しません。
圧倒的な描き込みが生む「見る力」と「考える力」
パンどろぼうの絵本は、とにかく描き込み量が圧倒的です。
たくさんの種類のパンがひとつひとつ丁寧に描かれていたり、5作目『パンどろぼうと ほっかほっカー』では、車の部品までもがパンモチーフになっていたり。
そして最新作7作目では、探し絵のシーンがあり「見つける楽しさ」まで盛り込まれています。
文章に書かれていない情報が、絵の中にぎっしり詰まっているからこそ
「これなに?」
「なんでこうなってるの?」
という問いが自然に生まれます。
読むだけで終わらず、見る・考える・話すへと広がっていく構造が、パンどろぼうの大きな魅力です。
わが家とパンどろぼうの思い出
図書館で順番待ちした、あの頃
最初に読んだのは、息子が2歳9か月の頃。
とにかく人気で、市内の図書館では長い順番待ちでした。
ようやく手に取ってみて「これは人気になるよね」と親も納得しました。
結局、我慢できずに誕生日に3巻セットを購入し、その後も少しずつ集めて今では全巻が手元にあります。
パン好き男子との終わらない読み聞かせ
息子は大のパン好き。
見開きいっぱいに並ぶパンの名前を、ひとつひとつ全部読む時期がありました。
物語は全然進まないけれど、興味を持って質問してくれるのは成長の証。
『ノラネコぐんだん パンこうじょう』や『からすのパンやさん』でも、同じ道を通っています。
🍞ノラネコぐんだん パンこうじょう(工藤ノリコ/白泉社)
🥖からすのパンやさん(かこさとし/偕成社)
親子三世代でハマる絵本
実は、私の母もパンどろぼうに夢中です。
グッズを集めたり、『パンどろぼう せかいいちかわいいてづくりこもの』の本をプレゼントしたら、パンどろぼうのぬいぐるみとパンをたくさん手作りしてくれました。

読むだけじゃなく、集めたり作ったり、絵本の外でも楽しめる。
これも、長く愛される理由の一つだと感じています。
裁縫が得意な母が言うには、初心者にはちょっと難しいかもという内容。
だけど、慣れた人からすればとっても楽しいようで……!
ちなみに、裁縫スキル0の私には何もわかりませんでした。
出来上がりはめちゃくちゃかわいいので、裁縫が得意な家族やお友達へのプレゼントにおすすめの一冊です!
わが家限定のパンどろぼう
ちなみに、夫が読むパンどろぼうはルパン三世風の声です。
理由は「(ル)パンで”泥棒”だから」。
息子はその声しか認めない時期があり、私は女の子キャラしか読ませてもらえませんでした。
そして、息子は夫が読むパンどろぼうを「パンどろぼうに似てるから好き」と言っています。
10月にはアニメが始まるそうです。
かわいい声だったらどうしよう……。
どうか、アニメの声優さんが栗田寛一さんでありますように……!
『パンどろぼう』は親子で笑って学べる素敵な絵本
パンどろぼうシリーズが心に残るのは「悪いことをしたらダメ」と教えるからではありません。
悪いことをすれば、ちゃんとよくない結果が起こる。
でも、反省して、償って、やり直そうとするなら、もう一度チャンスはある。
そのことを、楽しく読んで、笑って、説教臭くなく、物語として見せてくれる。
パンどろぼうは、そんな“やさしい価値観”をさりげなく手渡してくれる絵本です。
5周年イベントにアニメ化、ファンクラブの開設。
パンどろぼうは、“読む絵本”だけではなく“体験するもの”へと広がり続けています。
もし最近読んでいなかった方も、初めての方も、今回の記事を頭の片隅に入れながら読み聞かせてみてください。
もしかしたら、これまでとは違う景色が見えてくるかもしれません。
よくある質問
Q. パンどろぼうは何歳から読めますか?
A. 3歳ごろからとされています。
ナレーションも多いので、見開き当たりの文字のボリュームが多い箇所もあります。
ただ、絵のインパクトで笑わせるようなページも何度か挟まれるので、緩急がついて最後まで飽きのこない構成になっています。
息子は2歳9か月で初めて読みましたが、しっかり集中して最後まで聞いてくれました。
いまでは一人読みも楽しんでいます。
📚紹介した絵本たちはこちら
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📚わが家の絵本記録について
このブログでは、絵本好きの母と息子が実際に読んだ絵本だけをレビューしています。
息子と0歳から毎日、日本語1冊+英語1冊の読み聞かせを継続中。
3歳で400冊以上を読み、ひとり読みもスタートしました。
4歳になってから昨年末までで700冊以上の絵本に出会い、
入学前に1,000冊の新しい絵本に出会うことをゆるやかな目標にしています。
「どんな絵本を選べばいい?」
「読み聞かせってどう続けるの?」
そんな日々の悩みに寄り添えるような、
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